29日、国際親善試合『SAISON CARD CUP』の2戦目が福岡・北九州スタジアムで行われ、U-24日本代表がU-24アルゼンチン代表と対戦。日本は3日前に0対1で敗れた相手に対し、3ゴールを奪って快勝。東京五輪に向けて、自信となる勝利をつかんだ。
東京五輪同様、中2日で行われる試合。スタメンは初戦から9人を変えて臨んだ。GK谷晃生、最終ラインは右から原輝綺、瀬古歩夢、町田浩樹、古賀太陽。ダブルボランチはキャプテンマークを巻いた板倉滉と田中碧。2列目は右から食野亮太郎、久保建英、相馬勇紀。ワントップに林大地が入る、4-2-3-1でスタートした。
日本は地力に勝るアルゼンチンに対して、積極的な守備で迎え撃つ。強度の高い守備でボールを奪うと、久保のチャンスメイク、相馬のドリブル突破でアルゼンチンゴールに迫る。
前半26分、相馬が左サイドでドリブル突破を仕掛け、中央にクロスを送る。食野、田中とシュートを打つが、ゴールをとらえることはできず。
前半36分には町田のサイドチェンジから久保、原とつないで、ゴール前に走り込んだ林が頭で合わせるが、シュートはゴールを外れた。
アルゼンチンのチャンスは前半42分、右サイドからのグラウンダーのボールに抜け出したブルネッタが飛び込むが、わずかに合わず。日本は肝を冷やした場面だった。
そして前半45分、日本が待望の先制点をあげる。最終ラインの瀬古がアルゼンチンDFの背後にボールを送ると、抜け出した林が右足でシュートを決め、値千金のゴールを奪った。
後半6分には、右サイドでボールを受けた久保がドリブルでキープし、左サイドでフリーになった相馬へパスを送る。相馬はフリーで左足を振り抜くが、シュートはゴールポストを叩いた。
日本の選手交代は後半16分、先制ゴールの林に替えて、田川亨介を送り込んだ。強豪相手に一歩も引かない日本。後半23分には、久保の絶妙なコーナーキックに板倉が頭で合わせて追加点。さらに後半28分には、再び久保のコーナーキックに板倉がヘディングシュートを突き刺し、アルゼンチンから3点を奪った。
その後の日本はゲームをコントロールしつつ、選手交代を敢行。後半30分には殊勲の久保に替えて、三好康児を投入。後半38分には、食野を下げて旗手怜央。後半43分には、相馬に替えて三笘薫。後半44分には古賀に替えて、17歳の中野伸哉。後半アディショナルタイムには途中出場の田川に替えて、渡辺皓太を投入した。
選手を大幅に替えながらも、守備の強度が落ちなかった日本は、最後まで攻撃の手を緩めないアルゼンチンを完封し、3対0で勝利。初戦のリベンジを果たした。
試合後、横内昭展監督は「一人一人が全力でぶつかって、最後まで走り続けた。選手を称えたい。勝ちたい気持ちを出してくれた」と満足そうな表情で振り返った。
2得点の板倉は「前の試合負けていて、このままでは終われない。ゴールが結果につながってよかった。(久保の2アシストについて)いつもいいボールが来る。タケフサのボールを信じて入り込むだけ」と笑顔を見せた。
2アシストの久保は「(初戦負けて)リベンジすると言って、結果で返せたのは良かった。相手のやり方もわかっている分、コミュニケーションをとって、自分たちのプランがしっかりハマった。それぞれがいい持ち味を出せた」と冷静に振り返った。
強敵相手に主導権を握り、快勝した日本。来る東京五輪に向けて、期待を抱かせる勝利となった。
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