日本時間26日、なでしこジャパンがアルメレ(オランダ)で、アイスランド女子代表と対戦。池田太新監督の初陣として注目を集めた一戦だったが、アイスランドの縦に速い攻撃に手を焼き、0対2で敗戦。新監督の船出を勝利で飾ることはできなかった。
欧州に遠征し、強化を図る新生なでしこ。アイスランド戦のスタメンはGK池田咲紀子、最終ラインは右から清水梨紗、三宅史織、南萌華、宝田沙織。ダブルボランチに猶本光と長野風花。右に成宮唯。左に長谷川唯。2トップに植木理子と小林里歌子が入る、4-4-2でスタートした。
池田監督はチーム発足にあたり「奪う」をキーワードに用いている。その言葉通り、キックオフからなでしこは積極的なプレスを敢行。高い位置からのプレス、鋭い出足でボールを奪いに行く。
攻撃では最終ラインからのビルドアップでアイスランドのプレスをかいくぐり、ボールを前進。チームコンセプトがはっきりし、フレッシュな選手が揃ったなでしこが躍動する。
しかし前半14分、先制したのはアイスランドだった。右サイドでボールを受けたヨンスドッテイルがスピードあふれるドリブルで猶本を抜き去ると、右足を一閃。GK池田の手を弾き、ゴール左隅にシュートを突き刺した。
その後もなでしこがボールを保持する時間が続くが、最終ラインを攻略することができない。守備では、アイスランドの縦に速い攻めとロングスローに手を焼き、ピンチの数こそ少ないものの、クロスバー直撃のシュートを打たれるなど、危ない場面を作られてしまう。
後半に入っても、なでしこがボールを保持する時間が続く。小気味良いパスワークと前線のポストプレーでチャンスをうかがうが、あと一歩のところでパスがつながらず、決定機には至らない。
後半12分、猶本と成宮に替えて、隅田凜、宮澤ひなたを投入。宮澤が右、隅田が左に入り、長谷川がボランチに移動した。
その後もなでしこがボールを保持して攻めるが、後半26分、一瞬の隙を突かれてしまう。
アイスランドが最終ラインからのロングボールで攻め上がると、先制ゴールを上げたヨンスドッテイルが右サイドを突破。中央に折り返したボールをソルヴァルズドッティルがダイレクトで合わせ、2点目を奪われてしまった。
後半32分、長谷川と小林に替わり、林穂之香と田中美南を投入。攻撃の選手を入れ替え、リズムの変化を試みる。終了間際には足を痛めた宝田に替えて、高橋はなを投入した。
最後までアグレッシブにゴールを目指したなでしこだったが、アイスランドの守備を破ることはできず。0対2で試合終了の笛が鳴った。
試合後、池田監督は「選手の組み合わせやコンビネーションを見ることができた。守備面で、ピッチ上の修正が見られた部分は評価したい」と振り返った。
次戦、欧州遠征2試合目の相手は開催地オランダ。世界トップクラスの強豪相手に、新生なでしこはどこまで通用するのか。注目の一戦は30日(火)午前3時30分から、BSフジで生中継される。
写真提供:getty images