元日本代表DF長谷部誠のライバルとして鎬を削ってきた29歳のDFが、まさかの決断を下した。
フランクフルトは現地時間6月23日、オーストリア代表DFのマルティン・ヒンターエッガーが現役を引退することを発表した。
クラブ公式サイトによると、ヒンターエッガーは、同日にクラブ役員と面談を行ない、本日限りでプロ選手生活にピリオドを打つことを伝えたという。現行契約は2024年6月まで残っており、まさに電撃的な引退となった。
母国のレッドブル・ザルツブルクのアカデミーで育ったヒンターエッガーは、2016年夏にアウクスブルクに加入。ブンデスリーガ屈指のCBに成長すると、19年1月からはフランクフルトでプレーしていた。
フランクフルトでは在籍約3年半で公式戦136試合に出場し、圧倒的な高さでセットプレーのターゲットとしても活躍。CBながら計14ゴールを記録し、攻撃面でも大きな貢献を果たした。数年前から3バックの中央でのプレーが増えた長谷部と激しいポジション争いを繰り広げ、お互いに尊敬する間柄だったという。
2013年にデビューしたオーストリア代表でも主力DFとして63キャップを刻み、今年3月に行なわれたカタールW杯の欧州予選プレーオフ(ウェールズ戦)にも出場。惜しくも本大会出場を逃していた。
ヒンターエッガーはクラブ公式サイトで、「去年の秋にすでに引退を考えていた。怪我の影響で思うようなパフォーマンスができず、勝っても大きな喜びを得られなかった」とコメントし、すでに1年前からユニホームを脱ぐことを考えていた模様。さらに、次のように語っている。
「ただ、今年の春頃からパフォーマンスが向上し、高いモチベーションを保ちながらヨーロッパリーグ優勝という大きな成功をもって別れを告げることができた。私にとって第二の故郷となったこの街の素晴らしいファンたちと祝う最後の大きな勝利になることは試合前から分かっていた。チームメイト、コーチングチーム、すべてのチームスタッフ、そして、信頼とサポートと素晴らしい時間を与えてくれたファンに感謝したい」
まさに青天の霹靂とも言える引退劇だったが、フランクフルトのファンは、ヨーロッパリーグ優勝に貢献したヒンターエッガーの雄姿を忘れることはないだろう。
構成●ワールドサッカーダイジェスト編集部
記事提供:サッカーダイジェストWEB