レアル・ソシエダで圧巻のデビューを飾った久保建英は現地21日、かつてカンテラ(下部組織)に所属した古巣のバルセロナ戦に挑む。
この一戦を前にした8月18日、ソシエダの地元メディア『Noticias de Gipuzkoa』は、「クボは8歳で素晴らしいことを成し遂げた」と題し、久保を発掘した、バルセロナ日本スクールの元責任者であるオスカル・エルナンデス氏のインタビューを掲載している。
「クボを初めて見たのは2008年で8歳の時」というエルナンデス氏は、「ボールを足に縫い付けたような左利きの選手に、何かを感じるのにそれほど時間はかからなかった。私は彼を2、3歳上の子たちと一緒にやらせたが、彼がベストだった」と振り返っている。
バルセロナは、スクールから1名をスペインへ招待することになっており、エルナンデス氏は、「彼を選んだ。ラ・マシア(バルサの下部組織の総称)の子よりもレベルが高く、かなり目立つ子だったと報告した」という。
かくして入団したバルサ時代については、「彼は黄金世代のスターだった」と回想。こう続けている。
「彼はエリク・ガルシア、アンス・ファティ、ロバート・ナバーロらと同期だった。非常に優れた選手たちの集団であり、なかでもクボは最高の選手のひとりだった。バルサの最も偉大な世代のひとつだ。彼らはすべてを勝ち取った。彼らのプレーを見ることができて本当に良かった」
そんな“日本の至宝”は、18歳となった2019年6月にバルサのライバルであるレアル・マドリーと契約。これまでの3シーズンで、マジョルカ、ビジャレアル、ヘタフェ、そして再びマジョルカと3チームにレンタルされた。
エルナンデス氏はこのチーム選びに関して、「十分なアドバイスを受けていなかったのではないか」と訝しく思っていたようだ。
「彼がヘタフェにうまく適合すると誰が考える? マジョルカのような守備的なチームは? 才能を排除するだけだ。久保は1対1の突破が得意。敵陣よりも自陣でプレーするチームではうまく活かせない」
そのうえで、新天地のソシエダは、理想的なクラブだと考えているようだ。「ラ・レアルは正反対で、足下の巧い選手が集まっており、より多くのボールを受け、多くのゴールを決め、より多くのものを生み出す助けとなるだろう」と見解を述べている。
「いま彼は自分のプレーが適応するクラブにいる。ビジャレアルはおそらく彼を早く獲り過ぎた。より成熟したいま、素晴らしい時にソシエダに加入した。真実は、彼が非常に優れた選手であるということだ」
“恩人”も太鼓判を押したソシエダ移籍で、久保はついに本格ブレイクを果たすのか。まずはバルサ戦に注目だ。
構成●サッカーダイジェストWeb編集部
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