劇的な幕切れだった。グループステージ突破のために、韓国には勝利が必要だった。しかし攻め手がなく、このまま終了かと思われた、後半アディショナルタイム。
エース、ソンフンミンのアシストから、途中出場のファン・ヒチャンが勝ち越しゴール。韓国が2対1でポルトガルを下し、2010年大会以来となるラウンド16進出を決めた。
2試合を終えた時点で、ポルトガルはガーナとウルグアイに連勝し、勝ち点6でラウンド16進出が確定。韓国はウルグアイに引き分け、ガーナに敗戦。勝ち点1で強豪ポルトガルに挑むこととなった。
2戦目から6人先発を入れ替えたポルトガルだが、キャプテンのクリスティアーノ・ロナウドは、3試合連続でスタメンに名を連ねた。
開始早々にポルトガルが先制
先手を取ったのはポルトガル。前半5分、最終ラインのペペからのロングフィードを受けた、ダロトが右サイドをドリブルで突破すると、中央に折り返し。これをオルタが右足ダイレクトで合わせ、ポルトガルが早々にリードを奪った。
ポルトガルは左サイドバックのジョアン・カンセロ、右サイドバックのダロトが幅をとり、チャンスと見るや斜めのボールをサイドに展開。そこを起点に崩していく。
韓国はエースのソン・フンミン、2戦目で得点に絡んだイ・ガンイン、ゲームメイカーのファン・インボムを中心にボールを動かし、今大会ブレイクを果たした、ワントップのチョ・ギュソンが得意の空中戦で存在感を発揮する。
そして前半27分、コーナーキックのボールをキム・ヨングォンが混戦の中で押し込み、韓国が同点に追いつく。昨シーズンまでガンバ大阪でプレーしていた、キム・ヨングォンの一撃で、韓国が息を吹き返した。
頼みのエースが不発
その後は、ポルトガルが攻め込み、韓国がカウンターを繰り出す展開が続く。ポルトガルは後半20分、ロナウドがベンチに下がり、3枚替えを敢行。アンドレ・シウバ、レオン、パリーニャを送り込む。
韓国はエースのソン・フンミンが不発。シュートまでは持ち込むのだが、周囲にいるポルトガルの選手にブロックされるシーンが目立ち、GKディオゴ・コスタを脅かすまでには至らない。
韓国の転機は後半20分、ファン・ヒチャンが入ったことで、ドリブルを起点にチャンスが生まれ始める。
アディショナルタイムにドラマ
後半21分にはファン・インボムが中央を持ち上がり、強烈なシュートを打ったが、GKの正面を突いた。
後半35分過ぎ、韓国は元ガンバ大阪のストライカー、ファン・ウィジョ、ポルトガルはベルナルド・シウバを投入するなど、互いに勝ち越しを目指す。
同点で終了かと思われた、後半アディショナルタイム。コーナーキックからのカウンターでソン・フンミンが持ち上がり、スルーパスを通す。これを途中出場のファン・ヒチャンがダイレクトで蹴り込み、韓国が勝ち越した。
劇的な幕切れにより、ポルトガルが1位で勝ち点6。2位が韓国(4)、総得点差で3位ウルグアイ(4)、4位ガーナ(3)となった。
FIFA ワールドカップ 2022 - グループH 第3節 韓国 2-1 ポルトガル
【得点者】
リカルド・オルタ(ポルトガル)前半5分
キム・ヨングォン(韓国) 前半27分
ファン・ヒチャン(韓国) 後半46分
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FIFAワールドカップ カタール2022が 11月20日開幕!22回目となるスポーツ界最大級の祭典は史上初めて中東、冬開催の大会となる。1試合の交代枠が5人、登録選手も各チーム26人とルール変更もあり、新たなFIFAワールドカップとして記憶される大会となりそうだ。日本はFIFAワールドカップ フランス 1998から7大会連続7度目の出場となる。2002、2010、2018の3大会でベスト16に進出している。初のベスト8以上という目標を掲げて挑む森保ジャパンだが、ドイツ、コスタリカ、スペインと同居するグループリーグは過去最高に厳しい組み合わせとなった。強豪相手に如何にして戦うのか注目が集まる。
◇グループステージ 組み分け
【グループA】カタール、 エクアドル、セネガル、オランダ
【グループB】イングランド、イラン、アメリカ、ウェールズ
【グループC】アルゼンチン、サウジアラビア、メキシコ、ポーランド
【グループD】フランス、オーストラリア、デンマーク、チュニジア
【グループE】スペイン、コスタリカ、ドイツ、日本
【グループF】ベルギー、カナダ、モロッコ、クロアチア
【グループG】ブラジル、セルビア、スイス、カメルーン
【グループH】ポルトガル、ガーナ、ウルグアイ、韓国
◇日本戦情報
決勝トーナメント 第1戦 日本 vs クロアチア
12月6日(火) 日本時間 00時00分 キックオフ
フジテレビ系列、ABEMAで放送・LIVE予定