FIFA U-17ワールドカップインド2017の決勝トーナメント1回戦が17日に行われ、U-17日本代表はU-17イングランド代表にPK戦の末に敗戦。ベスト16で大会を去ることになった。19日、帰国した森山佳郎監督とFW久保建英(FC東京 U-18)がチーム結成の2015年から今大会までを振り返った。
1勝1分け1敗でグループステージを突破した日本は、決勝トーナメント1回戦で欧州予選2位のイングランドと対戦。試合は90分で決着がつかず、PK戦を3-5で落としてベスト16での敗退が決まった。
【森山佳郎監督】
――改めて大会を振り返ってください。
「もう一試合、二試合させてあげたかったです。一試合ごとに成長していく選手をもう少し見たかった。フランスやイングランドと戦って、選手たちは組織として戦えばやれると感じた部分と、そうは言っても組織を構築する個としては差があったと感じた部分。そういったこの大会で感じたことを、選手たちは忘れずに今後の成長の糧につなげてほしい」
――2年半を振り返って。
「長かったといえば、長かったですが、終わってしまうともうちょっとやりたかったという気持ちが今はあります」
――選手たちが森山監督を優勝させたかったと言っていました。
「このチームを見てくれた方に『こんなに明るいチームは見たことがない』とよく言われました。選手には大会の最後に一人ひとりに挨拶してもらったんですが、『このチームでやるのが一番楽しかった』と言ってくれる選手もいました。いろんないい経験が今後の活動につながれば、やってきた甲斐があるかなと。ただ、あくまで通過点です。本気でやることの大切さや、努力を続けていくことの大切さ、またサッカー以外の刺激もたくさん与えてきたつもりなので、そういう撒いてきた種みたいなものが、どこかで成長の助けになってくれればいいなと思っています」
【久保建英】
――この2年半を振り返って。
「(スペインから)日本に帰ってきて最初のインドネシア、タイ、そして東京キャンプはベンチでした。自分より上手い選手が11人も代表にいました。それが本当に悔しかったです。振り返るとそこが一番成長を感じたところ。自分よりもレベルの高い仲間を越すことが短期目標となって、スタメンを取れるようになって、それでも満足せずにやってきて、いい経験ができました。喋り出すとキリがないんですが、一番良かったのは濃い時間を過ごせたこと。(監督からは)ピッチ上でも私生活でも『言いたいことを言え』と言われました。本当に仲が良くて初招集の選手が来てもすぐ溶け込めるようなところもありました。チームメイトでありながら、友達というような本当にいい関係が築けました」
――代表に呼ばれた選手も、呼ばれなかった選手も含め同世代の選手たちは久保選手にとってどんな存在か。
「理想としてはこの2年半やってきた仲間たちとまた5年後、10年後に一緒のピッチで代表を背負って、一人でも多くと一緒に戦いたいです。それはチームとしての目標ですし、自分もそのために練習など努力を怠らないでやるつもりです」
――今回の大会を通して国内でも成長できると思ったか、それとも海外でやった方が成長できると思ったか、どのように感じたか。
「(スペインから)日本に帰ってきて日本の選手は本当にうまいと思いました。慣れだと思うので、(その環境に)慣れちゃうと新しいことを欲する感覚は誰しもあると思います。海外に出た方が良いという人もいます。海外の方が総合的なレベルが高いというのは結果を見てもわかります。海外を選択する選手はそういう意味で海外を選択しているんだと思いました。でも、日本がここから5年後、10年後にサッカー大国になっていてもおかしくない。その可能性は十分にあるわけで、日本でもやれる選手は十分にやれる。それぞれ適正というようなものがある。自分は環境のせいにしないで、どこでやっても自分の力を出せるような選手になりたいです」
――5年後、10年後に日本がサッカー大国になる可能性があるということだが、普段からそういうことをイメージすることはあるのか。
「(日本がサッカー大国になることは)想像に過ぎないんですが、でも代表に選ばれている人なら、それぐらいのことはイメージしていると思います。監督も言っていましたが、そのイメージを一人でも多くの人が共有することで、それに近づけると思いますし、それがマイナスになることはないと思います。(日本がサッカー大国に)なっていてもおかしくないというような戦いが、できたところはできたと思います。本当にどうなっているか、わからないので、期待があります」
●取材・文=池田タツ
記事提供:Goal