通算182回目のノースロンドン・ダービーはトッテナム・ホットスパーの快勝に終わった。
現地時間2月10日、聖地ウェンブリーで開催されたプレミアリーグ27節、トッテナム対アーセナルの一戦。序盤から重厚なポゼッションと鋭いフォアチェックで押し込むホームのスパーズに対して、ガンナーズは粘り強く防波堤を築いて起死回生のカウンターを狙う。ともに一瞬のミスも許されない緊迫感とハイインテンシティーのなか、手に汗握る攻防戦が繰り広げられた。
とはいえ、前半はほぼチャンスがなかった。スパーズは27分に左サイドのクリスティアン・エリクセンが中央にピンポイントクロスを送るも、フリーのハリー・ケインが決められず。さらに30分にもムサ・デンベレのシュートがエリック・ダイアーの前にこぼれたが、先制点には繋がらなかった。かたやアーセナルは右サイドでメスト・エジル、ジャック・ウィルシェアが起点になって速攻を引き出したが、新加入のピエール=エメリク・オーバメヤンが決定打を放つ場面は訪れなかった。
そして迎えた後半、トッテナムがチャージを仕掛ける。49分だ。左SBベン・デイビスのハイクロスをケインがマーカーふたりをものともせず豪快に頭でインパクト! GKペトル・チェフの牙城を崩した。さらに54分にケインが強烈なダイレクトボレーで、その3分後にもエリクセンが直接FKからチェフをテスト。インターバルを受けて集中し切れていないアーセナルDF陣を揺さぶり、完全にイケイケモードに入った。
手も足も出ないアーセナルは、人海戦術で打開を図る。65分、ヘンリク・ムヒタリアン、モハメド・エルネニーを諦め、アレクサンドル・ラカゼット、アレックス・イウォビを投入。オーバメヤンを中央から左サイドにスライドし、そのスピードを活かす策に出た。68分にウィルシェアが惜しい左足ミドルを放ち、ようやく最初の決定機を掴んだ。
だが、主導権はスパーズが掌握し続けた。巧みにチェンジ・オブ・ペースを繰り返し、ボールを回させてカウンターから好機を得るなどチームとしての熟度を見せつけた。最終盤にラカゼットに抜け出されて冷や汗をかいたが、シュートは枠の外。試合はこのまま1-0でタイムアップを迎えた。最小の点差ながら、内容だけでなく、シュート数が18本対5本と数字上でも圧倒。通算成績を57勝49分け76敗とした。
トッテナムは6位アーセナルとの勝点差を7に広げ、試合終了時点で暫定3位に浮上している。
記事提供:サッカーダイジェストWEB