3日、FIFA女子ワールドカップの準決勝が行われ、アメリカとイングランドが対戦。攻守に高い完成度を見せつけたアメリカが、優勝候補の一角イングランドを2対1で破り、3大会連続となる決勝戦への切符を手に入れた。
準々決勝で開催国フランスを破ったアメリカとノルウェーを下したイングランド。女子サッカー界トップレベルのスピード、パワー、テクニック、組織力を備えた両チームの一戦は、開始から高い強度のプレーが繰り広げられる。
今大会、開始15分までに5ゴールを奪っているアメリカが、キックオフとともにアクセル全開。モーガン、ヒース、プレスの3トップが積極的に前進し、ドリブル突破が武器のレフティ、ラベルが持ち味の個人技でチャンスを作る。
そして10分、右サイドのオハラからのクロスをファーサイドのプレスがヘディングでゴールに突き刺し、アメリカが先制点をマークした。
その後もアメリカが強烈なプレスで主導権を握るが、イングランドがワンチャンスをものにする。19分、左サイドでボールを受けたミードのクロスを、エースのホワイトが右足でダイレクトシュート。ホワイトが得点ランキングトップに立つ6ゴール目を奪い、イングランドが同点に追いついた。
しかし、アメリカが再び突き放す。31分、左サイドからのクロスを中央に走り込んだモーガンがヘディングで流し込み、イングランドのエース・ホワイトに並ぶ今大会6点目のゴールを決め、勝ち越しに成功した。
後半22分、イングランドがビッグチャンスを迎える。スコットのワンタッチパスに抜け出したホワイトが、GKと1対1の場面でゴール左に流し込み、イングランドが同点に追いついたかに見えたが、VAR(ビデオアシスタントレフリー)により、オフサイドの判定。得点は認められなかった。
戦術的な引き出しが多彩なアメリカは、4バックから5バックにシステムを変更し、守備固めに入る。しかし、イングランドも意地を見せる。後半34分、シュートモーションに入ったホワイトがペナルティエリアで倒され、VARによりPKを獲得。これをキャプテンのホートンが蹴るが、GKネイヤーが読み切ってストップした。
後半41分、イングランドのセンターバック、ブライトが2枚目のイエローカードで退場。ビハインドを背負うイングランドが、ひとり少ない状況に追い込まれる。
結局、アメリカが最後までリードを守りきり、タイムアップ。熱戦を制し、決勝進出を決めた。
決勝戦は日本時間8日に行われ、オランダ対スウェーデンの勝者とアメリカが対戦する。
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