レジェンドスタジアムはFC東京で活躍する日本代表DF森重真人にインタビューを敢行、独占取材に成功した。その映像を3回に分けてお送りする。後編はかつてレジェンド達からポジションを奪った森重本人がそうだったように、台頭し始めた若手との「競争」について。
「世界に負けてないところもたくさんある」
4年連続でJリーグベスト11に輝いた森重真人は、文字通りJリーグを代表するプレイヤーへと成長した。実際、日本代表のスタメンを飾るプレイヤーのほとんどが欧州クラブ所属か海外でのプレイ経験がある中で、Jリーグだけでキャリアを積み上げているのは、GKを除けば森重くらいだ。自身も『日本のプレイヤーがもっともっと海外での経験を積めば』という想いを持ちながら、
「けっして国内組がダメなわけではない」
という、プライドもチラつく。ディフェンダーというポジションは、レベルが上がれば上がる程、スピードや高さ、強さといったフィジカル面でのポテンシャルを求められてしまう。一芸に秀でれば買ってもらえる可能性のある攻撃的なポジションのプレイヤーと違って、日本人ディフェンダーは割り引いて見られがちだ。
だからと言ってレベルが低いわけではない。Jリーグの各クラブにもイキの良い守備的な選手がどんどん台頭してきている。例えば昨年のJリーグ王者・鹿島アントラーズは昌子源、植田直通といった若手がセンターバックとして君臨している。クラブワールドカップでクリスティアーノ・ロナウドやベンゼマと言ったワールドクラスと渡り合った姿は、Jリーグでも充分成長できることを証明しただけでなく、森重真人のライバルとして名前を挙げるべき存在であることも示した。
「意識しないのは無理だと思う」
という感想も素直な気持ちの現れだろう。個人としてのクオリティ、安定感などは未だ森重に分があると見ていいが、鹿島が常に優勝争いに絡む強豪チームであるのに対し、FC東京は未だリーグを制した経験がない。ポジション争いについては
「それを悪いと思う人は一人もいないと思います」
と歓迎している。その競争原理は、例えば本田圭佑や長友佑都、岡崎慎司と言ったワールドカップ3大会連続出場を目論むベテランと、久保裕也、酒井高徳、大迫勇也といった中堅世代との間で激しく展開されている。その結果、アジア最終予選は初戦黒星スタートから盛り返し、7節を終わったところで単独首位となった。
「年齢に関係なく、その選手のいいと思ったところは吸収する」
そう語る森重は選手個人としての成長するために、若手から学ぶことも厭わない。口で言うのは簡単だが、誰にでもできることではない。それはハリルホジッチが求めるサッカーにどう対応するか、どうすればスタメンを維持できるのかを考え尽くしている森重だからこそできることなのかもしれない。
インタビューではポジション争いについてより詳しく語っている。ぜひ動画をチェックしていただきたい。